シングルスピード(SS)が気になっている方(しかもマウンテンバイクで)、いらっしゃいませ。
マウンテンバイク(MTB)といえば主流なのはギヤードです。最近はフロントはシングルギヤで、リヤが11段とかの変速機構付きが一般的(さらに最近ではリヤ12段になってきてます)。変速機構は文明の利器。改めて言うまでもなく路面状況や勾配にあわせて自分の脚力や体力にあった重さ(ペダルを回すときの足にかかる負荷)で走ることが可能になるすばらしい発明です。
私が乗っているサーリーカラテモンキー(27.5+のセミファットタイヤの前後サスペンションなしのフルリジッドマウンテンバイク)も、もともとはフロントシングル、リヤ11段のギヤードバイクでした。普段の乗り方としては、街乗りもするし、コーヒーライドもするし、トレイルライド/ダウンヒルもするし、パンプトラックでも遊びます。どれもとても快適に遊べてました。
ではなぜシングルスピード(SS)にわざわざ変えたのか?「文明の利器」を捨てたことによるデメリットはあったのか?
では行きます。
シングルスピード(SS)にした経緯
トレイルライドでアクシデント【運命その1:ディレイラーが折れた】
マウンテンバイクを乗り始めてからちょうど1年。
その期間はこれまで体験したことがなかっためちゃくちゃ楽しい体験をたくさんしました。
そんな中、アクシデントは急に訪れました。
楽しすぎ&調子に乗りすぎ&悪運が重なり、トレイルツアーでディレイラーが破損!太い木の枝を巻き込んだあとのリスタートでディレイラーのアームをホイールに巻き込みパキッといってしまいました(泣)。しかも、ついでにエンドもひん曲がるというダブルショック(泣)。
↓その時の様子はこちらの動画で。
↓その前のかなりやばいトレイルライドはこちらです。今までで最高に楽しかったw
もとどおりの11-42Tのギヤードにすることもできたのですが、以前から気になっていたシングルスピード(SS)化が頭をよぎりました。
ちなみにもとのギヤードに戻すのに必要なパーツの参考価格は7,000〜8,000円程度。ほかにもディレラーのワイヤーと工賃など含めると…それなりにかかる。
いつも楽しませてもらっている自転車仲間からの「シングルスピード(SS)の世界へいらっしゃい!」とのお誘いもあり。
どうしようかな、どうしようかな、と悩んだあげく、好奇心が勝りシングルスピード(SS)の世界へダイブすることにしました。
参考)どうしようかと悩んでいたときに何度も見てた2大動画がこちらです(かっこいい)
悩んだギヤ比【運命その2:基準値は2.0】
シングルスピード(SS)にすることは決まったものの、11枚のギヤをたった1枚だけにするということで悩んだのがギヤの歯数(T)。
ショップの方「普段どのくらいのギヤで乗ってたかわかります??」
私「・・・まったくわかりません^^;」
困りました。
歯数の候補にあがったのは、18T、19T、20T。数字を言われてもまったくピンとこない。
ショップの方「18Tは豪脚の○○さんが乗ってるくらいです。」
私「・・・やばいっすね^^;、じゃあ19Tで!」
そしてここでも運命が、19Tは在庫切れ(おぉ…)、18Tは在庫あり(おぉぉ…)
私「運命にしたがい、やばいかもですが18Tで!」
ということで、初のシングルスピードMTB(SSMTB)のギヤは18Tになりました。フロントが32Tなので、ギヤ比は1.78という計算になります。
運命の18Tでしたが、実はこれが黄金比だという説明をうけ、さらに具体的な理由を後から知ることになります。
具体的にはというと、タイヤの外径も加味した数値(ギヤインチ)を算出してみると、このカラテモンキーの場合は、32T ÷ 18T×29インチ(27.5インチプラスタイヤ外径は29インチといっしょ)=51.55…となる。ここで、 26インチオフロードホイールの基本的なギアレシオ2:1の場合を計算してみると、32T ÷ 16T×26インチ=52となる。
ということで、 27.5インチプラスタイヤでオフロードの場合は、フロントが32Tの場合は、リヤは18Tにすると基準値に最も近くなるのでまずはこのギヤを試してみて、重くしたり軽くしたりを考えると良い。とサーリーの公式サイト(シングルスピード ギアリング 入門 | Surly Bikes)に書いてあったのです!!おぉー。
サーリーのものではないですが、ギアードからシングルスピードに変えるのにはこんなパーツを使います。カセットスプロケットの幅をスペーサーで埋めて、うまいことフロントのチェーンリングまっすぐになるように調整。
気になるギヤが1枚になって困ることについて
ギヤ比も決まってシングルスピードMTB(SSMTB)が完成してからというもの、ギヤードのときに走っていたところを走ってみてどんな違いがあるのだろうか?ワクワクが止まりません。ギヤの枚数は減ったが、ワクワクは増えたというのは正直な感想です。
参考:フレームにくくりつけてある黒い物体ですが、カギです。ABUSのゴツくてなかなか頑丈なやつ。価格もゴツいす(笑)安心と重さはトレードオフ。頑丈で軽くて長めで手頃な価格のものってなかなかない(わがまますぎ)。
プレートタイプの折りたたみ式のカギは、頑丈で折りたたんでフレームにサクッと装着できるところはとても良いのですが、長さが短いのが痛いところ。使い勝手はワイヤータイプのほうがやっぱいい。悩ましい。
街乗り【大丈夫】
まずは街乗りから。これについてはまったく大丈夫ですねー。感覚的にはギヤ比1.78だと若干軽い感じです。
以前のギヤードのときは、スピードを出そうとしてあえて重いギヤを回そうとしていたのかもしれない。
他には、ギヤを重いほうにしたまま信号待ちでとまって、漕ぎ出すときに「うわ、重っ」てなって、ガチャガチャと軽いギアに変速するというちょっとした手間がなくなる(これ割と良い)。
久々のモーニングライド🚴🌄
— Kohei@karatemonkey🚴 (@ktake20jp) September 17, 2019
そしてSSMTBになってから初
ギヤードのときと比べた所感😐
・わりといける
・なんか軽快
街なかにちょこちょこある
登りくらいなら全然平気💪
チューブレスにしたからか
とても軽快に回る感じがする🤟
山を走るのが楽しみだ🤩#モーニングライド #ssmtb pic.twitter.com/fFMeYnxfxC
さらに、漕ぎ出しの重さが一定なので、そのうち体が勝手に覚えてきて無理なく漕ぎ出せる。ストップ&ゴーについてはギヤードよりも、シングルスピード(SS)のほうが気持ちが良くて瞬発力もあるというのが個人的な感想です。
中距離ライド
ハンドルバーバッグに荷物を詰め込んで、マウンテンバイクコースがあるスポーツランドタマダまで自走。往復50kmちょっと。これも大丈夫でした。
MTB日和🚵 pic.twitter.com/yao2qLNGxz
— Kohei@karatemonkey🚴 (@ktake20jp) October 14, 2019
ステムバッグはスマホやちょっとした小物を出し入れするのに超便利でおすすめです。私は片側だけですがステムの両側に2つ装着している人もいます(超便利が2倍)。
ちなみに、ステムバッグは種類が豊富で買うときに迷うこと必須です(笑)
あとハンドルバーバッグが個人的にはおすすめです。思っていたよりもたくさん入るのでちょっと驚くかも。そしてステムバッグと同じく魅力的なのがたくさんあるので迷いますw
サドルバッグもいいですよ。私が使っているものはもう売ってなさそうだったので同じくらいのサイズ感のものを参考まで。
大きなサイズは今は持ってないですが気になるアイテム。ハンドルバーバッグと組わせるとどんだけ積載できるんだろうか。今持っているハンドルバーバッグのブランドと合わせるならこれか。ACEPACはものも良いしリーズナブルで個人的にとてもおすすめ。
ちょっと値段はあがるが鉄板のフェアウェザー。
街の中のトレイルぽいとこ【大丈夫】
私の地元広島は川の街です。街の至るところに川があり、その側には道があります。道は舗装されたところとされていないところがあり、舗装されていないところには草が生えています。マウンテンバイクだとつい舗装されていないところに行ってしまいます。そうすると路面抵抗は舗装路よりも高くなります。ギヤードだとギヤを軽くして走りますが、シングルスピード(SS)はギヤないのでそのまま突っ込みます(笑)
しかし、これが黄金比と言われる所以なのか舗装路でギヤ比1.78だと若干軽い感じだったのが、ちょうど良いくらいになります。
あと、大きな公園にいくと木の根っこがあります。マウンテンバイクなのでそういったところも通りたくなります。ここもギヤを軽くして挑むところですが、シングルスピード(SS)なのでそのまま突っ込みます(笑)
しかし、これもすんなり行けてしまいます。理屈はわからないですが、こりゃトルクをかけるのにはちょうどよいギヤ比なんではないかというのが個人的な感想です。停止状態からでも結構「ガッと」行けます。とても楽しいです。
坂道【わりと大丈夫】
次はみんな気になる坂道です。坂道にもいろいろあります。私の身の回りはわりと平地なのであえて登らない限りは急な坂道はありません。多いのが橋を渡るときの坂道ですが、これはなんなく行けます。坂道に挑む前に無意識のうちにちょっと勢いをつけているかもしれませんが、シングルスピード(SS)だからといってとくに不自由はありません。
では、ほんとに急な坂道だとどうなるのか?
もちろん試してみました。たまにモーニングライドで行っている坂の上にあるドラゴンが住んでいると噂(嘘)の公園「竜王公園」です。ギヤをガチャガチャ変えながらも途中登れないところがあった激坂です。
それで、シングルスピード(SS)だとどうなのか?
やっぱり登れなかったところはは登れません。しかし不思議なことにギヤードのときに登れていたところは割と登れてしまうんです。これも理屈はまったくわかりません。ほんとにそれなりに登れてしまう。
今朝はSSMTBで
— Kohei@karatemonkey🚴 (@ktake20jp) September 19, 2019
竜王パーク🐲に初チャレンジ
3分の2くらいはがんばれた💪
しかし、SS32x18tなのに
そこそこ坂道が登れるのが
不思議
ギヤードのときは32x42tでも
ひーひー言ってたのに😱
これが黄金比と言われる
所以なのか?!
次は横川方面からじゃなく
三滝方面から登ってみよう pic.twitter.com/qoA6HifbXq
感覚的には「ぐいーっ、ぐいーっ」という感じで進み、ギヤードの軽いギヤで「シャカシャカシャカシャカシャカ」という感覚とはまったく違う感じです。
トレイルライド【大丈夫?!】
マウンテンバイクといえばトレイルです。ここで使いにくかったら嫌だなーという若干の不安もありながら、いつもの山に行ってみました。
感覚的にはさっきの坂道といっしょで「ぐいーっ、ぐいーっ」という勢いで上りに挑み「うわ、限界!」と思って休み、その間にギヤードのマウンテンバイクが追いついてくる。そして再び「ぐいーっ、ぐいーっ」とギヤードマウンテンバイクを追い越し、休んで、また追いつかれる。結局のところ、登り工程全体としてはギヤードでもシングルスピード(SS)でも同じペースで上っていくみたいな。
SSMTBでがんばって登頂💪💪💪
— Kohei@karatemonkey🚴 (@ktake20jp) September 29, 2019
そして安定の #ニッタコーヒー pic.twitter.com/DjS61NEIgP
あと、スプロケット、ディレイラー、シフトレバーなどを取り外したので、自転車自体が軽くなったことで、押上げするのが楽になりました。ほんとかなり楽になりました。
下りについては、以前とほとんどいっしょですね。私がいつも行っているところは下っている途中も少し登り返しがありますがシングルスピード(SS)でもまったく大丈夫でした。
トレイルであったらいいなと思うアイテムはこちら。ドロッパーシートポストです。登るときはシートは高めが良くて、下るときはがっつり下げる。でも下るときにたまに上りが来るときは止まってシートを上げるなんてことはできないので、これがあるととても便利だと思います。
「だと思います」だと、、、そうです、実は私のSSMTBには装備されていません。これがなかなか良いお値段するのでなかなか踏み切れずそのまま^^;
なので、車体購入時におもいきって一緒に装着しておくのがおすすめです!勢い!
噂では街乗りでは信号待ちでスッとサドルを落とせるのでとても便利だとかw
ナイトトレイルライド
シングルスピード(SS)でもギヤードでも変わらないですが、先日初めてナイトトレイルライドしました。昼間とは違ったドキドキ感がたまらなかった。
ライトは自転車に1つ、ヘルメットに1つ。計2つ装備していきました。なにげにヘルメットのライトがめっちゃ良かった。ライトはUSB充電式で大容量で安いものが結構あるので2つ買うのがおすすめです。
ついでにカスタムしたところ
シングルスピード (SS) にしたのでついでにカスタムしたところをご紹介。
ゴールドチェーン【ほんとはトラックバイク用途】
ギヤを決めきるまでは、11段用チェーンをそのまま使っていましたが、チェーンも交換時期だということも重なり、シングルスピード (SS)用のものにしてみました。ゴールドのチェーンが以前から気になっていたので奮発してトラックバイク界で有名な「SUPER TOUGHNESS TRACK RACING CHAIN NJS IZUMI」を導入。トラックバイク用ということで、マウンテンバイクにつけて良いもんなんかどうか不明でしたが、そこはぶっちぎりました。11段変速用の薄いチェーンに見慣れていたので、シングルスピード (SS)用のチェーンはやたら分厚くて頑丈に見えます。実際に頑丈らしい、特にこのチェーンは。
チェーンテンショナー【別名”栓抜き”】
エンドを修正したせいなのか締め付けが甘いのか、「ガッと」踏むとホイールの軸が何回かずれちゃったので、チェーンテンショナーが欲しくなりました。目に止まったのはサーリーの「TUGGNUT CHAIN TENSIONER」。
ただただかっこいい。さらに栓抜きにもなるという付帯機能付き!しかし、いつもお世話になっているグランピーさんによくよく調べてもらったところ、カラテモンキーには装着できないことが判明。
カラテモンキーにはこのままでは付かないことが判明(穴のサイズが2mm足りない)
— Kohei@karatemonkey🚴 (@ktake20jp) October 5, 2019
しかし、ここはグランピー💪
もはやチェーン引きを付けたいというより栓抜きつけたい衝動のほうが強い🤣 pic.twitter.com/BprIQ0VjgG
しかしそこはグランピーさん。加工して取付可能な状態にしてくれました!私のつまらない要望にも答えてくれる懐の深さが最高!
これでエンドの傷も隠せて、「ガッと」踏んでもホイールもずれずに、栓抜きも使えます(果たして使うのか)
ペダル【ANVL TILT アンビル チルト V3】
これはついでにカスタムではないのですが、ぜひ一緒に見てもらいたいので紹介します。かなり悩んだ後に購入したこのペダル。めちゃくちゃ調子良いです。
ANVL TILT V3はが残念ながら売り切れ、、、というときには鉄板のDMR VAULTがおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
便利に乗るためのものを、わざわざ取り外すのって億劫ですよね。私もそうでした。シングルスピード(SS)を見るたびに興味津々でしたが、なかなか踏み切れなかった。
しかし、運命的なアクシデントからシングルスピード(SS)になり、なんだか楽しみが増えたのはほんと正直なところで、最悪はまあギヤードに戻せばいいかなくらいのノリでシングルスピードの世界にダイブしましたが、いまのところ全く後悔はないです。実際のところ不便なこともない。
もともと楽しく乗れていたカラテモンキーが、シングルスピード(SS)になって軽快さが増し、より楽しい自転車になったと思います。
2023年4月追記
最新のAIにいまどき変速機もなくサスペンションもついていない古風な乗り物についてちょっと聞いてみた実験記事。
とにもかくにもシングルスピードのマウンテンバイク(SSMTB)良いっすよ。
ではまた!
コメント
私もカラテモンキーに乗ってます。
SS化、魅力的ですね(^^)
自分もSSに興味はあったものの、なかなか踏み切れなかったので、ディレイラー破損がちょうどよい機会となりましたw
[…] 街乗りクロスもいいが街乗りMTBもいいぞ!僕の新しい相棒を紹介します! kona unit MTBをシングルスピード(SS)にして思った意外なこと【Dive to Single Speed MTB World… […]
自分もSS化にしたのですが、どうしてもチェーンがたるんで、スプロケットからチェーンが外れてしまいます。
32t×16tにしています。どうしたらチェーンに張りがでますか?
返事が大変遅くなりすみません。
私はチェーンが外れたことまではないのですが、私の場合はペダルを踏み込むと後輪の車軸がずれてしまう(それによりチェーンがたるむ)ことがあったので、チェーンテンショナーというものを装着してみたところペダルをガッと踏み込んでも車軸はずれることがなくなりました。
↓こんなパーツです^^
https://cactus-z.com/ssmtb/#toc14
[…] MTBをシングルスピード(SS)にして思った意外なこと【Dive to Single Speed MTB World… […]
[…] […]
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災害時にも活躍するだろうと、学生時代から何年経ったか・・・数年前にMTBを購入した者です。
自分の場合は、欧米の旅をする人に憧れての再購入だったので、ロングライド用にリアキャリアなどをつけていますが、林道を見るとそちらに流れていきます。
と、林道やダウンヒルを(たまーに)楽しむし、登山もやってますが・・・自然が好きなのに、木の根っこの上を走ることでタイヤで木を傷つける結果になることへの矛盾と戦っています。