“Startup Weekend”に参加しようか迷っている方、いらっしゃいませ。
結論から言いますと、参加しないと後悔します。
Startup Weekendに参加すると、大抵の人が過去に経験したことのないと思われるような濃密な「54時間」を体験することができます。私もつい先日体験したばかりですが、普段使っている、使っていないに関係なく、脳みその「ビジネス野」が鍛えられます。そう、脳みその筋トレです。
「そう言われても、何を準備していいやら、どんな雰囲気なのか、初めて会う人と3日間うまくやっていけるのか、不安だ」と思われている方は多いのではないでしょうか?
私もその一人でした。
そんな私が、開催前からソワソワしながらも、Startup Weekendに参加し、最終プレゼンで2位評価をもらうまでを紹介したいと思います。
ちなみに、2位になった私たちのテーマは「うんこ」です。
↓ これが、こうなりました
当初、Startup Weekendの会場に到着するまでは、プログラミング教育に関するビジネスについて考えてみようと心に決めていました。でも、終わってみると私の「54時間」はうんこで満ち溢れていました。
そして、最終結果が2位というのは、実は1位よりも良いかもしれないというStartup Weekendのジンクスがあるらしいです(ページ最後のほうに記載)。やったぜ2位。
では行きます。
私が参加したのは【Startup Weekend岡山@イコットニコット】
私が参加したのは2019年6月14日(金)~16(日)に開催されたStartup Weekend岡山です。
私が申し込んだときには参加者50名くらいでしたが、実際に行ってみるとおよそ70名、そして関係者を含めると100名くらい。集まった時点で熱量すごかった。
事前準備【妄想して楽しめ!】
準備物は、特になし。
何も持っていかなくても3日間過ごそうと思えばちゃんと過ごせます。
といってもあると良いものもあります。でも先程言ったようにマストではありません。
ノートPC
最終プレゼンの資料を作るときにあると便利。準備できない場合は、会場のA4用紙にマジックで書いたものでプレゼンすることで代替も可。情報収集などをするときにも役立つが、スマホでも情報収集はできる。
お菓子
昼ごはん、夜ごはんは基本的に会場で用意されるので不要ですが、お菓子はあったほうが良いです。脳みそが疲れると甘い物がほしくなるので。
アイデア
リードしてやりたいと思っている場合は、初日のピッチでしゃべるアイデアを考えておくといいです。特になければ誰かのアイデアに参加する形でも全然OK。
でも、リードするのとしないのでは、Startup Weekendで得られるものの差はかなりあります。
もちろん、” Don’t think, feel.” な感じで、その場で思いついたアイデアでもOK。
体調管理
なんだかんだとこれが最も重要です。当日までにしっかりと体調を整えておきましょう。Startup Weekendは脳みそと体力をかなり消耗します。
Day1【とにかく交わって楽しめ!】
私の場合、夕方ごろに広島から岡山へ移動して会場にたどり着きました。
腹ごしらえ【そのあと一気に交わる】
会場に到着してしばらくするとお弁当が配られました。うれしいことにビールも。
お腹も満たされ、ついでにアルコールを摂取したことにより、私の脳みそは一時的にブーストがかかった状態になりました。
そんな満たされた状態でいよいよStartup Weekend開始です。
16個のキーワードと8つの班【ウォーミングアップ】
しばらくすると、なんでも良いので16個のワードを言うコーナーが突然始まりました。
とりあえず会場からあがるワードの様子を見ながら、何を言おうか考えていたところ、自然と手をあげて言ってしまったワードが「うんこ」でした。
これが今回2位を獲得したアイデアの原点。そして「プログラミング教育に関するビジネスについて考えてみよう」という思惑がふっとんだ瞬間でした(勢いってすごいw)。
その後は、無作為に8つの班に振り分けらて、16個のワードから2つを使ったアイデアの検討と発表というコーナーにシフト。いわゆるウォーミングアップですね。
アイデアを一枚の紙にしてピッチ【ここからがスタート】
ここからが本当のスタートです。
最終日のプレゼンに向けて自分のアイデアを一枚の紙にまとめ、参加者からたくさんの賛同をもらえるように30秒で説明します(これをピッチと言います)。
そのあとは興味を持ってくれた人たちからの直接質問やら、具体的な説明やらをする時間になります。「うんこ」のアイデアにも話を少し聞きに来てくれたのでちょっと安心しました。
アイデアへの投票【残酷なふるい落とし】
アイデアを書いた紙はいったん集められて張り出されます。
ここからひとり3票をわたされて、良いと思ったアイデアに投票するというシステムです。
そして、投票数の少ないアイデアからふるい落とされるという残酷なシステムでもあるのです。
今回は36アイデアから、13アイデアに絞り込まれました。
話を聞きに来てくれた人数からすると票は集まらないかなと思っていましたが、「うんこ」はしぶとく生き残りました。
チームメンバー募集タイム【2名集まらない場合はゲームオーバー】
票がそれなりに集まっていたので「いけるじゃろ!」っと思っていたメンバー募集タイム。
しかし誰もこない。周りを見渡したらワイワイ集まっているところもあるのに(めっちゃ楽しそう)。自分の他に2名は集まらないとその時点でゲームオーバーです。
これは「終わったな」と。
しかし、あきらめかけたころ4人の若者たちが、私の「うんこ」に集まってくれました。
初日で最も嬉しかった瞬間です。
これでなんとか2日目に残ることができたぞ!と。集まってくれたメンバと少し話をして会場の時間の都合により1日目は解散。
解散後、私は予約していたホテルに向かいました。明日に備えて眠ろうと努力したものの、脳みそが興奮状態だったせいか、なかなか寝付けず。
Day2【ぐだぐだ感を楽しめ!】
目が覚めたらまさかの出来事【始まる前から2名脱退】
朝起きたら案の定、睡眠不足です。体調最悪。
そしてスマホを見てみると昨日集まったメンバでつくったLINEグループに連絡が入っています。なんだろう?ワクワク。
「やっぱり自分のアイデアをやりたいから脱退します!」
まさかの出来事、まだチームでは何もやっていないのに2名のメンバが脱退(汗)
おもしろすぎるぜ、Startup Weekend
Startup Weekendはルールがないのがルールらしいので、チームからの脱退、別チームへの移籍など何やってもOK。
補足ですが、2日目に残るには自分以外に2名の賛同(チームメンバー)が必要ですが、2日目以降に仮にチームが解散して1人になっても、その状態で進めることはOK。
ということで、2日目から我々のチームは、3名でうんこなプロジェクトを進めることになったのでした。
順調な滑り出し【そこから生まれる油断】
睡眠不足と引き換えに、脳みその中ではある程度「うんこ」なアイデアは整理整頓されていました。
「まあこんな感じなら大丈夫じゃろ」
はい、油断です。
油断大敵【知力体力も徐々に低下】
午後からは、すでに起業し、実績をあげられているコーチ陣から直接アドバイスを貰えるという貴重なタイミングがあります。もちろん我々もアドバイスをいただくようにお願いしました。
大丈夫じゃろ、っと思っていたアイデアでしたが、アラが出ること出ること。
さすが実戦経験豊富なコーチ陣。頂いた指摘に反論の余地はまったくありませんでした。
12:00の時点で大丈夫だと高を括っていたアイデアは、14:30にはゼロベースで考え直すまでにリセットされました。
このあたりから、先日の睡眠不足と強制的な脳の筋トレ継続状態からくる疲労により、気力と体力の限界が近づいているという自覚症状が出始めました。
眠い、とにかく眠い。
そう、人間は身体が危険な状態になると安全機能が働き「寝ろ」と促すのです。
とはいえ、気になることがたくさんあるので、寝ようにも寝られず。
相変わらず続いているぐだぐだな検討会議。進行しているのか、衰退しているのか。それすら不明。
ぐだぐだとした検討会議が続くなか、コーチの方から貴重な追加意見も頂きながら、自分たちのモチベーションにも右往左往しながら時間は進んでいきました。
まだいろいろ考えることが残っているが思い切って早めに切り上げた【体調管理を優先】
そうこうしていると、夕方になりました。
もうこの頃には考えるのをやめていました。というか考えられるコンディションではなくっていたのです。
“No talk, All action.” がStartup Weekendのテーマです。
でも我々は、“All talk, No action.” が続いていました。
ここは気分を替え、どうせ検討が進まないのだから「Action」してみようということになりました。
そこで出来上がったのがこのポスターです。
100円の謝礼と引き換えに実際にトイレでうんこして写真撮る感想を聞く実証実験に踏み切りました。
このポスターを目立つところに仕掛けて、我々の2日目は早々に終了することにしました。
とても、他力本願な「Action」です。
そして、この日は昨夜と違って22時くらいには眠っていました。
Day3 【ギリギリの緊張感を楽しめ!】
最終日を詳しく説明する前に、最終日がどんな感じか端的に表現するちょうど良いものがありましたので紹介します。
最終日はこのテーマ曲をかけて追い込みかけると一体感と生産性向上するかもしれません。わりと最終日は虎の目(Eye Of The Tiger)になってる人多かったんじゃないかな。
あと自分でやってみて思ったのですが、先のYouTubeを再生して音楽聞きながら、このまま読み進めていくと最終日をある程度疑似体験できると思います。
コンディション復活【軽い運動としっかりとした朝食で、脳みそのパフォーマンスを引き上げる】
さて、最終日の朝はというと…
私はたまに早朝に自転車に乗ることがあるのですが、自転車に乗った日は調子がすこぶる良いのです(早朝サイクリングおすすめです)。
朝軽い運動をすることで代謝が上がり、体も脳も活性化するのだと思います(たぶん)。
幸い私が泊まったホテルにはフィットネスルームがあり、目的のエアロバイクはなかったのですが、ルームランナーがあったので30分くらい軽くランニングしてみました。
そうしていると汗が出始めたころから、昨日はくたくただった脳みそからもアイデアが出始めました。
朝、軽い運動をすると食欲もアップします。ちょっと豪華にホテルで朝食をもりもり食べました。
今日は #sw岡山 最終日
— Kohei@💩🤟😆🎉 (@ktake20jp) 2019年6月15日
脳みその容量が少ないので
朝の適度な運動と、
しっかりとした朝食で
せめてパフォーマンスだけでも
あがってくれ💩#StartupWeekend pic.twitter.com/sksJt8t3QF
なんだかうんこのことを考えながら食事しても平気な自分に気が付きました。これが「進化」というやつか。
朝食後はそのまま最終プレゼンに向けて資料のアウトラインを書き始めました。
昨日さっさとあきらめて早々に切り上げたことで、体も脳みそも最高のコンディションで最終日を迎えることが出来ました。作戦成功。
ラストスパート【プレゼン資料の枚数を気にするよりギリギリまで内容をブラッシュアップ】
ここから一気にスパートです。
ですが、アウトラインをまとめていた矢先、「資料にはこんな要素が必要です」と全体説明がありました。
なんということでしょう!おまとめ中のアウトラインでは、まったく必要要素が足りてないではないですか!
これはまずい。自分たちが考えていたことに、何が足りていないか。そしてどこを補完しないといけないか大至急整理を始めました。
プレゼン開始は16時。
我々はすぐに全力で検討を進めました。お昼ご飯の時間ももったいないくらい、時間が貴重な状態。
そうこうしているうちにあッと言う間に15時。
これまで私たちは資料を作る時間より、ギリギリまで内容を精査することに集中していました。
なので15時の時点で発表用のスライドは1ページもできていませんでした。
我々のチームは15時を回りやっと資料の作成に着手しました。チームのメンバがそれぞれ分担して黙々と資料作成に集中です。
プレゼンタイムが始まった16時頃やっと資料が形になりました。
その後は自分たちの順番がまわってくるまでの間でちょこちょこ手直し。リハーサルなんてまともにやる時間もなく、1回だけ通しでリハーサルが出来たのは自分たちの発表が始まる5分前。
そして、最後の仕上げにチーム全員の魂を発表資料に注入。
最終プレゼン【思い切りが大事】
さあ、本番です。私たちのチーム(UNK)は最後から2番目、プレゼンが始まってから11番目ですので、会場の皆さん、審査員の方々にも疲れが見えます。
そんな中、大変恐縮でしたが「うんこ」のテーマでプレゼン開始です。
会場からの反応は良く、ビジネスプランのプレゼンしてるのにみんなニヤニヤ。しっかりと笑わせられたのでプレゼンしているほうも楽しかったです。
結果発表【プランの評価は2位、笑いの評価は1位(のはず)】
結果は2位。
しかし、1位になると起業する可能性が低いというジンクスがStartup Weekendには存在するらしく、結果的になんか2位でよかったのかなと。
そして、会場のたくさんの方から「おもしろさでは1位でした!」と言ってもらい本人としては大変満足しています。
最初ネタ枠かと思ったら、バシバシに決めてて正直ビビりました😂
— ゆってぃ / 中川 優希 (@yuki_kikkake) 2019年6月16日
ビジネス、ロマン、ユーモア全部最高で、僕の中では優勝でした‼️💩 https://t.co/Nad7AyeoBQ
アフターパーティー【50時間以上の脳の筋トレからの開放】
やっと脳みその開放タイムです。2位でしたが勝手にピザとからあげとビールで祝杯あげてました。
楽しすぎて写真を撮るの忘れていたので、この記事ではまったく伝えられません。
なので、 ぜひStartup Weekendに参加して、本物の開放感をあなたにもぜひ体験してもらいたい!
まとめ
いかがだったでしょうか?
Startup Weekendに参加しようか迷っている方、参加しないと後悔しますよ。
Startup Weekendに参加すると、脳みその普段使っていない部分が鍛えられます。私はそれをとても実感しました。Startup Weekendが終わって3日ですが、普通に何か考えているときでさえ、Startup Weekendの経験が威力を発揮しています。特に意識すること無く、自然と。
Startup Weekendは世界中で開催されているとのことで、進行や運営もほんとにスムーズでスピード感もあり、ものすごい仕組みだなと思いました。コンテンツクルー 藤田様をはじめとする関係者の皆様には感謝しかありません。
なかでも、開催期間中を通して細かい悩みをしっかりとケアしてくれたリードオーガナイザーのTakuto Nakamotoさん、私たちのアイデアへ直々にコーチングして頂いたSOICO 土光勝太様、ワイアードゲート 鈴木肇様、審査時にコメント頂いたZEALS 清水正大様、そして、ディープコア 仁木勝雅様、その他いろいろとお声がけ頂いた方々ありがとうございました。
最後に、岡山会場でお会いした皆様、こちら広島ですがまたどこかでお会いできることを楽しみにしています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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