いよいよ来年(2020年)から義務教育に組み込まれるプログラミング。
「プログラミングって何だか難しそう」と思っている方、多いと思います。でも、もはやそんなことを言っている場合ではないんです。
義務教育とは関係なく、すでに子どもたちがプログラミングを活発にやっているという事実があります。そのわかりやすい例が全国各地で開催されているプログラミングコンテストです。
しかも、優勝特典がものすごい。
すごい賞金額、世界大会への出場権、さらには起業支援まで。
今回は、驚き満載の今どきのプログラミングコンテストを紹介します。
ちなみに、私はもともとプログラマーで、過去に作った自作のAndroidアプリで50,000DL以上になったことがあります。ついでにそのアプリがフジテレビの「とくダネ!」で紹介されたこともあります。現在、CoderDojo紙屋町(広島)で子どもたちと一緒にプログラミングをやるボランティア活動もやっています。現在の本業はWebディレクター。
では行きます。
TECH KIDS GRAND PRIX
21世紀を創るのは、君たちだ。
「Tech Kids Grand Prix」は、21世紀というこれからの時代を担っていく、すべての小学生に向けたプログラミングコンテストです。
引用:Tech Kids Grand Prix
サイバーエージェント社が運営する小学生・子どものためのプログラミングスクール 「Tech Kids School」主催のコンテスト。 驚くべき点は、賞金総額がなんと100万円!さらに国内外からの応募総数が1019件!(2018年)。
応募作品については、ジャンル指定はなく、プログラミング言語の制限もなし。ただし、ロボットや電子工作のようなハードウェアの作品はNG。あくまでソフトウェアプログラムに限ったコンテストとなっている。
コンテストの詳細
概要 | コンピュータプログラミングを用いて開発されたオリジナル作品(※ロボットや電子工作等、特殊なハードウェアを必要とする作品は応募不可) |
公式HP | https://techkidsschool.jp/grandprix/ |
主催 | Tech Kids School (株式会社CA Tech Kids)、民間企業スポンサー多数、後援団体:渋谷区など |
対象 | 小学生のみ |
地域 | 開催場所は東京。応募は全国からOK。 |
規模 | エントリー1019件(国内外)、ファイナリスト12名(2018年) |
特典 | 賞金総額100万円、1位:賞金20万円、2位:賞金15万円、3位:賞金10万円 など |
U-22プログラミングコンテスト
待ってろ、未来。
U-22プログラミング・コンテストは、自らのアイデアで新しい未来を拓く、次代を担うITエンジニアのコンテストです。
引用: U-22プログラミング・コンテスト
とても今どきなクールなビジュアルが目を引くコンテストサイト。ですが、コンテスト自体は、なんと今年(2019年)で40回目にもなる歴史あるコンテスト。
注目すべきは最高賞。なんと賞金40万円(2019年)に加えて、起業支援や、未踏事業への推薦が受けられる!コンテストが終わっても次のアクションを起こしやすいというか、すぐに新規事業になってしまう可能性も十分にある?!という夢と希望が膨らむコンテストです。
応募作品のジャンルやプログラミング言語の特に制限はなく、ハードウェアを使用した作品もOK。
コンテストの詳細
概要 | 40年の実績があるプログラミングコンテンスト。ジャンル・プログラミング言語の制限はなし。 |
公式HP | https://u22procon.com/ |
主催 | U-22プログラミング・コンテスト実行委員会 (1980:経済産業省主催、2014:民間へ移行)、 民間企業スポンサー多数 、後援:経済産業省など多数 |
対象 | 22歳以下 |
地域 | 最終審査会 秋葉原コンベンションホール。全国から応募OK。 |
規模 | 応募460作品、参加者総数1,570名(2018年) |
特典 | 経済産業大臣賞(最高賞)を受賞した場合、賞金(40万円 2019年)に加え、未踏事業への推薦、起業支援などが受けられる |
PCN こどもプロコン
プログラミングクラブネットワーク(PCN)主催のコンテスト。こちらも2018年で9回目を迎えた歴史あるコンテスト。小学生の部と中学生の部に別れており、さらに、それぞれにソフトウェアとハードウェアの部門がある。
会場ではノミネート作品を見学できるコーナーや、ワークショップも同時開催された模様(2018年福岡会場)。最終選考に残れなかった子どもたちや、今回はコンテストに参加していない子どもたちでも気軽に楽しめそう。
コンテストの詳細
概要 | 小学生、中学生のそれぞれに、ソフトウェア部門とハードウェア部門がある |
公式HP | http://pcn.club/contest/ |
主催 | PCN、民間企業スポンサー多数、後援:総務省、経産省、文科省など多数 |
対象 | 小・中学生限定 |
地域 | メイン会場は福岡県福岡市、 サテライト会場として東京・仙台 (2018年)。応募は全国からOK。 |
規模 | 応募329作品(2018年) |
特典 | 例)最優秀賞:表彰状/ノートパソコンなど、優秀賞:図書カード10,000円分(2018年) |
全国小中学生プログラミング大会
開催ごとにテーマが設定されているのが特徴。第1回のテーマは「ロボットとわたしたち」、第2回のテーマは「こんなのあったらいいな」、第3回のテーマは「こんなせかいあったらいいな」。
作品は、 PC、スマートフォン、タブレットで動作するプログラムや、アプリ、ゲーム、ムー ビーなどのソフトウェア、ロボット、電子工作などのハードウェアなどなんでもOK。使用言語、作品の形式に制限なし。
コンテストの詳細
概要 | PC、スマートフォン、タブレットで動作するプログラムや、アプリ、ゲーム、ムー ビーなどのソフトウェア、ロボット、電子工作などのハードウェアによる選考。 |
公式HP | http://jjpc.jp/ |
主催 | 全国小中学生プログラミング大会実行委員会(株式会社角川アスキー総合研究所、株式会社UEI、NPO法人CANVAS)、共催:株式会社朝日新聞社、後援:総務省、経済産業省、文部科学省(予) |
対象 | 小・中学生向け 、グループOK(ただし3名以下) |
地域 | 表彰は都内。全国から応募OK。 |
規模 | 応募282作品(2018年) |
特典 | 例)グランプリ:賞状と盾/副賞 Macbook Pro 13インチ(2018年) |
ロボカップジュニア
世界35カ国から参加者が集まり、 「西暦2050年までに、人間のサッカー世界チャンピオンチームに勝てるロボットチームを作る!」 という目標を掲げ、人間社会に役立つロボット技術の育成を目的としているユニークな国際プロジェクトであるRoboCupのジュニア版。
RoboCup Juniorでは、自立型ロボットによる「サッカー」部門だけでなく、 自立型ロボットによる災害現場での活動をテーマにした「レスキュー」部門や、自立型ロボットによるダンスをテーマにした「OnStage」部門など、レギュレーションがとてもユニーク。
イスラエルからやってきたチームのヒューマン&ロボットのダンスグループ。エンタメ感が抜群ですね!
コンテストの詳細
概要 | プログラム開発による自律型ロボットの競技で、サッカー、レスキュー、OnStage(ダンス)のジャンルから選んでエントリーできる。 |
公式HP | http://www.robocupjunior.jp/outline.html |
主催 | ロボカップジュニア・ジャパンオープン大会開催委員会、 民間企業スポンサー多数、 後援:文科省、経産省など |
対象 | 19歳以下 |
地域 | 2019年は和歌山大会。全国から参加OK。 |
規模 | 参加207チーム(海外9チーム含) 560名(2018年) |
特典 | 世界大会への日本代表チームの一員になれる |
WRO Japan
大会指定の市販ロボキットとソフトウェアにより規定課題をクリアするレギュラーカテゴリ、テーマに沿ったオリジナルロボットを自由に制作する部門のオープンカテゴリー、レギュラーカテゴリの発展形で、高度なロボット制御を競うアドバンスドロボットチャレンジなど、様々なカテゴリーが用意されているのが特徴。
さらに自立型ロボットを2台1チームで競うサッカータイプの競技や、児童向けキットであるレゴ®WeDoロボットで課題をクリアするカテゴリーまで用意されている。
なお、上位チームは国際大会の切符を手にすることができる。
コンテストの詳細
概要 | 自律型ロボットによる競技 (レギュラー競技、オープン競技、アドバンスド・ロボティクス・チャレンジ、フットボール) |
公式HP | https://www.wroj.org |
主催 | WRO Japan実行委員会、 民間企業スポンサー多数、 後援:総務省、経産省、文科省など多数 |
対象 | 小学生、中学生、高校生、17歳以上の学生 |
地域 | ジャンルごとに、関東圏、関西圏などで実施。全国から参加OK。 |
規模 | 決勝進出121チーム(2017年) |
特典 | 優秀チームは世界大会へ出場 |
信州未来アプリコンテスト0(ZERO)
熱い想いを、コードに込めて。
“誰かをしあわせにしたい” “困っている誰かを助けたい”“とことん楽しいことがしたい” “みんなを「あっ」と言わせたい” あなたの中に浮かんだ想いやアイデアを「アプリ」にしてみませんか。それはきっと、明るい未来を踏み出すための第一歩になるから。
引用: 信州未来アプリコンテスト0(ZERO)
「困っている誰かを助けたい」とても共感しました。
私も2011年に東日本大震災向けのAndroidアプリを作っていました。こちらは広島なので簡単に現地に行くことはできません。でもプログラムなら、アプリならいつでもすぐに届けられる。そう思って日夜アプリの開発に勤しんでいたことを思い出しました。
さて、このコンテストは29歳までOKと、他のコンテストより対象年齢の幅が比較的広いのが特徴です。15歳以下、18歳以下、29歳以下の各々クラスが同じテーマ(2018年は 「“あっ”と言わせるアプリ」 )でアプリをつくるというのがおもしろいですね。
コンテストの詳細
概要 | スマホ・タブレット・PC向けのアプリケーションのみ |
公式HP | https://shinshu-futureapp.net/ |
主催 | 長野県、信越情報通信懇談会、信州大学 (官公庁・民間の後援多数) |
対象 | 小学生から30歳未満 (U15、U18、U29) チームでも個人でも応募可能 |
地域 | 開催場所は長野県(信州大学)、応募は全国からOK。 |
規模 | 応募数68件、決勝21組(2018年) |
特典 | 優秀者は起業家甲子園・万博に参加できる |
アプリ甲子園
クリエイティブは、君の中にある
それは、
引用:アプリ甲子園
自分の生活をもっと楽しくする力
近くにいる家族を助ける力
学校のみんなをもっとワクワクさせる力
世界中の人の人生を変える力
「クリエイティブは、君の中にある」。かっこいいですねー!
私もほんとにそう思います。私は絵を描いたり、曲を作ったりすることはまともにできないのですが、眼の前にある問題を解決したり、人を楽しませたりするようなアイデアを形にすることはある程度できます。もちろん使うスキルはプログラミングです。
プログラムと言うと「難しい!」という反応が多いですが、表現手法のひとつだと思えば少し身近に感じませんか?
さて、甲子園というと高校野球をイメージするので高校生だけが対象だとばかり思っていたのですが、小学生から応募可能のようです。また、おもしろいのは、 実際に作り上げたものを審査対象とする開発部門と、アイデアを審査対象とするアイデア部門があるところです。
コンテストの詳細
概要 | スマホアプリ限定。選考カテゴリーは、開発部門とアイデア部門がある。 |
公式HP | https://www.applikoshien.jp/ |
主催 | アプリ甲子園実行委員会、民間企業スポンサー多数、後援:総務省 |
対象 | 中学校、高等学校、高等専門学校(3年生まで) 、小学生も応募可、グループOK。 |
地域 | 開催場所は東京(D2C本社)、全国から応募OK |
規模 | 1次は動画による選考、決勝10組(2018年) |
特典 | iMac 27インチ、または、Macbook Pro 13/15インチ、最新型タブレット端末など |
Go Global! DojoCon Japan プログラミングコンテスト
私も参加したDojoCon 2018。その中で最終審査を実際見ました。もちろん投票も。
全国の約180箇所あるCoderDojoのニンジャたちが作りあげた作品の中から最終選考に残れるのはたった5つ。とても狭き門です。そして最優秀賞に選ばれると、 アイルランドで開催されるCoolest Projects への交通費と宿泊費が補助されるという大盤振る舞いです。
CoderDojoの思想は「FREE」なので、応募作品はソフトウェアでもハードウェアを使ったものでもなんでもOKです。
コンテストの詳細
概要 | ソフトウェア、ハードウェア問わずなんでもOK |
公式HP | https://dojocon2018.coderdojo.jp/news/2018-10-30_go-global-2018-winners.html |
主催 | DojoCon Japan 実行委員会 |
対象 | 満7歳から17歳 |
地域 | DojoCon Japan会場。応募は全国からOK 。 |
規模 | 応募多数、最終審査5作品 |
特典 | 最優秀賞はアイルランドのCoolest Projectsへの交通費・宿泊費支援 |
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここに掲載されているプログラミングコンテストは、まだごく一部です。
他にもたくさんコンテストが開催されており、各々のコンテストに関係省庁の後援やたくさんの民間企業スポンサーが付いています。
単に義務教育に組み込まれるから盛り上がっているわけではなく、2030年のIT技術者が足りなくなるという予想や、GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)と言われる世界的なIT企業に対抗するためのアイデアとテクノロジーの創出への期待感が全面にあらわれているのだと思います。
「コンテストなんて敷居が高い」と思っている方、多いかもしれません。
でも、1次が動画による選考だと、自宅で作った作品(プログラム)をスマホで撮影したらすぐ応募できます。スマホアプリでちょっと編集すると印象アップもできそう。とりあえずYouTubeにチャンネル作ってアップしておいたら、あっちこっちのコンテストにも応募できそう(笑)
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